ふぁ~~~あ⋯⋯
ことねっちー。眠そうなトコごめんね。
ちょっといいー?
んー、なになに?
どしたの清夏っちー。
あなたたち、
会ったばかりなのに仲良いわね。
入学式の日に友だちになったもん。
ねー?
⋯⋯わたし、まだ手毬しか
友達いないんだけど。
や⋯⋯花海っち、いつも
ダッシュで帰っちゃうから。
私、花海と友だちになった覚え
ないんだけど。
さっきなったじゃない。
なってないから。
勝負したらもう親友でしょ。
これからは、わたしのこと⋯⋯
咲季って名前で呼びなさい。
咲季。
ふふ、なあに?
うっとおしい。
はあ~~~~~~~~?
うるさいふたりは、
いちゃいちゃさせておいてーっと。
ことねっち。
クラス懇談会やろうと思うんだけど。
参加してくれるー?
うぅ~、ごめん! 放課後は
毎日バイトあるから無理なんだ。
そういうと思ってさ。教室パーティーに
する予定。お昼休みに。
さんきゅー♪ それなら行くー♪
ありがと~! よーっし、
これで全員参加でイケそう!
ね、紫雲清夏。
清夏でいーよ。こっちも
咲季って呼ぶし。
じゃあ清夏。あなた⋯⋯
なかなかいい脚をしているわね。
いきなりセクハラ!?
よく鍛えられているという意味よ。
なにかスポーツをやっていたでしょ?
⋯⋯さーねぇ。
む、やる気ないわねー。
せっかくスポーツで勝負できる相手が
見つかったかもって期待したのに。
クラス全員と勝負するって、
アレ、本気だったんだ?
もちろん。スポーツ以外でいいから、
そのうち勝負しましょう、清夏。
そのうちね。
約束よ。さて、じゃあ今日は
別の勝負相手を探そうかしら──
と⋯⋯思ったけど。
な、ナニ? 顔ちかくない?
む~~~ん⋯⋯
あなた、体調が悪そうね?
いつも眠たそうにしているし⋯⋯疲れが
たまっているように見えるわ。
あー⋯⋯あたし、バイトたくさん
しててさぁ。それでかなぁ。
だいじょぶだいじょぶ♪
気にしないで~。
なにそれ、いつも体調不良のまま
レッスンを受けてるってこと?
放課後、自主練習も休養もせず、
アルバイトばかりしているってこと?
信じられない⋯⋯
それでアイドルのつもりなの?
ごめんねー、月村サン♪
意識高ぁい人から見たら、
意識ひくーいあたしのこと、
気に食わないのはわかるんだけどぉ。
こっちにも事情があってさ~。
ほっとい──うひゃ!? なに!?
おおげさね。
ちょっとさわっただけなのに。
なんで急にさわってくんの!?
マッサージしてあげようと思って。
根本的な解決にはならないけど──
ちょっとは回復させてあげられるわ。
⋯⋯そ、そういうことなら、まぁ⋯⋯
お願い、しよっ、かな⋯⋯
まっかせなさい!
⋯⋯ふはぁ~~~~~~~⋯⋯⋯⋯
ことねっち、ことねっち。アイドルが
してはならない顔になってるよ。
だってこれヤバい⋯⋯
めっ⋯⋯っちゃ回復した。
あくまで応急措置よ。
事情は知らないし、
口出しするつもりもないけど⋯⋯
ちゃんと寝て、休みなさい。
ほら、栄養と水分補給。
⋯⋯さんきゅ。
ん~~~~~~~~~~~~~!
えーっと⋯⋯
改めて、ちょっと考えてみるわー。
ん、そーしなさい。
ひひ、なーんか花海って、さ。
お姉ちゃんっぽくね?
ちっちゃいくせに。
一言余計よ。見た目も中身も、
理想のお姉ちゃんじゃない。
いつでも頼りなさい!
この咲季お姉ちゃんをねっ!