学マスデータベース

第9話

藤田ことね

ふぅ~~~~~~~~~~~っ!

藤田ことね

つ⋯⋯つっかれたぁ~~~~~~~~~~~~~!

藤田ことね

(久しぶりに────気持ちよく踊れた気がする)

藤田ことね

(だけど⋯⋯も~、限界。自分で立てないや)

花海咲季

──ほら。

藤田ことね

⋯⋯あ、ありがと。

藤田ことね

え~と⋯⋯⋯⋯どう、だった?

藤田ことね

(この勝負、あたしとあんた、どっちの勝ち?)

花海咲季

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

花海咲季

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!

花海咲季

わたしの負け!!!

花海咲季

⋯⋯⋯⋯っ。想定内よっ!

花海咲季

わたしよりもず~っと早くから、本気でアイドル活動に

花海咲季

取り組んできた人たちが、たくさんいるんだもの!

花海咲季

いまのわたしが、いきなり全員に勝てるなんて、

花海咲季

一番になれるなんて、思ってもなかった⋯⋯!

藤田ことね

ひひ~、強がるなって~。超くやしそーじゃん。

花海咲季

悔しいに決まってるでしょ!

花海咲季

わたしは負けるのが世界で一番嫌いなの!

花海咲季

くやしい、くやしい⋯⋯

花海咲季

悔しい悔しい悔しい悔しい~~~~~~~~~~~ッ!

花海咲季

ぐすっ⋯⋯足手まといなんて言って、ごめんなさい。

藤田ことね

いーよもう、別に気にしてないし。

花海咲季

これからは、ことね先輩って呼ぶから。

藤田ことね

な、なんで先輩?

花海咲季

アイドルとしての、尊敬する先輩という意味よ!

藤田ことね

留年した人みたいじゃん! マジやめて!

花海咲季

じゃあ他の呼び方を考えておくわ。

藤田ことね

普通に名前で呼びゃいーだろ! こっちもそー呼ぶし!

藤田ことね

(せっかく猫かぶってたのに、どんどん剥げていく)

藤田ことね

(こいつに対しては、もーいいやって)

藤田ことね

(バカバカしくなってきたから)

花海咲季

そう? じゃあ、ことね──

花海咲季

なんで一昨日は自信なさそうにしていたの?

藤田ことね

あんときは、実際勝てる気しなかったし。

藤田ことね

あたしも、不思議なんだよね~。

藤田ことね

な~んでこんなに今日、調子よかったんだろ。

プロデューサー

休養して、コンディションが回復しただけです。

プロデューサー

つい先日まで、藤田さんは、

プロデューサー

複数のアルバイトを掛け持ちしていました。

プロデューサー

なのにレッスンや仕事の量も、

プロデューサー

他の生徒より多いぐらいでした。

プロデューサー

休日など、一切なかったはずです。

プロデューサー

睡眠不足、過労⋯⋯コンディション不良ゆえの

プロデューサー

成績不振──からのさらなる練習量増加⋯⋯

プロデューサー

この悪循環が、藤田さんの自信喪失の原因でした。

プロデューサー

本来の実力を発揮すれば、新入生に負けることは

プロデューサー

ありません。例え相手が咲季さんでも。

一同

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

花海咲季

自分の体調もわかってなかったとか⋯⋯

花海咲季

さては、あなたバカでしょ?

藤田ことね

うっさいなァ! いま自分でもそう思った!

藤田ことね

しょーがねーだろー! お金が欲しかったの!

花海咲季

それにしたって、バカよ。ほんっと、バカ。

花海咲季

信じらんないバカ。うちの妹と同じレベルのバカ。

藤田ことね

ぐぬぬ⋯⋯! あたしに負けたくせに、

藤田ことね

言いたい放題言いやがってぇ⋯⋯!

花海咲季

好きよ、あなたみたいなやつ。

花海咲季

わたしとユニット、組んでくれる?

藤田ことね

⋯⋯ゆっとくけど、

藤田ことね

あたしがアイドルやってるのは、お金のためだから。

花海咲季

ふーん、わたしがアイドルやってるのは、

花海咲季

すごい人たちと競い合って勝つのが好きだからよ。

花海咲季

このわたしが、世界一を目指せる競技だからよ。

花海咲季

ね!

藤田ことね

⋯⋯あたしがあんたとユニット組みたいのはぁ、

藤田ことね

成り上がんのに役立ちそーだからだけど?

花海咲季

わたしがあなたとユニットを組みたいのは、

花海咲季

わたしに勝ったことねのことが大好きになったからよ!

花海咲季

わたしたちって、似た者同士ね!

藤田ことね

似てねーし! あーもー、調子狂うなーっ!

藤田ことね

とりあえず! ユニットメンバーふたり目ってコトで!

藤田ことね

咲季、これからよろ!

花海咲季

こちらこそ!!

花海咲季

さぁ、次は3人目よっ!

花海咲季

首を洗って待ってなさい!!

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