学マスデータベース

第8話

ナレーター

ことねと咲季の、勝負の日がやってきた。

花海咲季

よく逃げずにやってきたわね! 褒めてあげるわっ!

藤田ことね

おっ、さんきゅ~。

藤田ことね

よ~っし、じゃーさっそく勝負する~?

藤田ことね

悪いケドぉ、かる~く勝たせてもらっちゃうからね~♪

花海咲季

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯へぇ。

花海咲季

びっくりしたぁ。

花海咲季

あんなに自信がなさそうだったのに⋯⋯

花海咲季

あなた、一昨日とはまるで別人じゃない!

花海咲季

いったい、なにがあったの!?

藤田ことね

え~? いっやぁ~~~~。

藤田ことね

なーんか今日、朝からずぅ~っと気分爽快でぇ!

藤田ことね

身体がメチャ軽いってゆーか!

藤田ことね

やる気がドンドン溢れてくるってゆーか!

藤田ことね

くふふふふ~⋯⋯⋯⋯

藤田ことね

きっとこれが、収入アップを約束されたアイドルの力!

藤田ことね

今日のあたしは、夢と希望に満ちているッ!

藤田ことね

カクゴしろよぉ学年首席ぃ!

藤田ことね

あたしが勝ったら~、

藤田ことね

き~っちり約束守ってもらうからナ~!

花海咲季

なんだかよくわからにけど────

花海咲季

今日のあなたは、アイドルの顔をしているわ。

花海咲季

うん⋯⋯うん⋯⋯いいわね!

花海咲季

いまのあなたに負けたら、す~っごく悔しいわ!

花海咲季

相手にとって不足なし! 特別に名前を聞いてあげる。

藤田ことね

言ってなかったっけ? あたしは藤田ことね。

藤田ことね

よろしくねぇ~、花海ちゃん♪

花海咲季

ことね⋯⋯! あなたのこと、好きになれそう──

花海咲季

負かしてあげるから、かかってきなさい!

藤田ことね

はいはい、お手柔らかにぃ♪

藤田ことね

ところでダンス勝負って話だったけど、

藤田ことね

どうやって勝敗を決めんの?

プロデューサー

おふたりには、ここで順番にパフォーマンスを

プロデューサー

披露してもらい、審査員が勝敗を決めます。

藤田ことね

審査員は、プロデューサーが?

プロデューサー

咲季さんに務めていただきます。

花海咲季

えっ⋯⋯?

花海咲季

わたしが勝敗の判定をする⋯⋯ってこと?

藤田ことね

え~ッ!? そのコがズルして『自分の勝ち~』

藤田ことね

って言うかもしれないじゃないですかぁ!

プロデューサー

ありえません。こと勝負において⋯⋯

プロデューサー

彼女は誰よりも公平ですから。信用できます。

花海咲季

⋯⋯わ、わかってるじゃない。

藤田ことね

プロデューサーがそう言うなら⋯⋯いいですけど。

花海咲季

そっちこそ、負けたときズルいとか言わないでよね。

藤田ことね

そ。なら、さっそくわたしから。

藤田ことね

──────────

藤田ことね

⋯⋯すっご。ほんとに新入生?

プロデューサー

(入学するまでの半年──誰よりも本気で)

プロデューサー

(プロよりも濃密に、練習を積み重ねてきたのだろう)

プロデューサー

(──やがて。彼女のダンスが終わる)

花海咲季

ふぅっ⋯⋯

花海咲季

どう、プロデューサー? わたしのダンスは!

プロデューサー

期待以上です

花海咲季

そっ、そう⋯⋯ふぅ~ん⋯⋯

花海咲季

そんなによかったんだっ⋯⋯ひひっ。

藤田ことね

じゃっ! 次はあたし~ですネっ♡

プロデューサー

藤田さん──

選択肢

信じています
いってらっしゃい
期待しています

藤田ことね

ほ~い、いってきまっす! プロデューサー!

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