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第3話

花海咲季

ねぇ、プロデューサー。どこに行くの?

プロデューサー

P科の生徒には、教室を一室、

プロデューサー

活動拠点として使うことが許可されています。

花海咲季

カツドーきょてん~?

プロデューサー

いうなれば、我々の事務所にあたる場所です。

花海咲季

おおっ、事務所! 765プロ──みたいな?

プロデューサー

その認識で間違っていません。

花海咲季

そっかぁ~!

花海咲季

『アイドル事務所』ってわけね。

花海咲季

ふふふ⋯⋯未来のトップアイドルたるこのわたし、

花海咲季

花海咲季の覇道が、ちっぽけな教室から始まる──

花海咲季

悪くない⋯⋯悪くないわ!

花海咲季

すっごく燃えるシチュエーションよ!

プロデューサー

なら、よかった。

花海咲季

ところでプロデューサー。

花海咲季

わたしの妹と、会って、話したんでしょう?

花海咲季

────どうだった?

プロデューサー

どう、とは?

花海咲季

色々。

プロデューサー

とても、可愛らしい方だと。

花海咲季

でしょ? でっしょお~~~~~~?

プロデューサー

姉妹仲がいいんですね。

花海咲季

うんッ!

プロデューサー

花海さんは、いままで⋯⋯多くの競技で、

プロデューサー

妹である花海佑芽さんと競い合ってきた。

花海咲季

紛らわしいから咲季でいいわ。そうよ。

プロデューサー

では咲季さん。あなた方はお互いに、

プロデューサー

宿命のライバルだと想い合っている。

花海咲季

ええ、そうよ!

プロデューサー

なのに、仲がいいんですか?

花海咲季

だから、仲がいいのよ!

花海咲季

わたしは、勝つのが好き。そう言ったじゃない?

花海咲季

アレ、すこし、訂正させて。

花海咲季

わたしは、わたしに勝ちうるヤツに勝つのが好きなの。

花海咲季

本気で挑んでくるヤツに勝つのが好きなの。

花海咲季

負けたら悔しい勝負に勝つのが好きなの。

花海咲季

きっとあの子もそう。

花海咲季

だからわたしたち姉妹は、

花海咲季

お互いのことがだぁ~い好きなのよ!

プロデューサー

⋯⋯⋯⋯なるほど。よく、わかりました。

花海咲季

ま、そんな理屈は抜きにしても──

花海咲季

妹のことは大好きだけどねっ!

花海咲季

だってわたしは、お姉ちゃんだもの!

プロデューサー

⋯⋯佑芽さんは、お姉さんに、ずっと負け続けてきた。

プロデューサー

──と、そう言っていました。

花海咲季

ん、事実ね。

花海咲季

わたしは、あの子に負けたことはないわ。

プロデューサー

しかし、あなたは⋯⋯⋯⋯

花海咲季

このままじゃ、絶対に負けたくない相手に、

花海咲季

絶対に負けたくないことで、負けちゃうの!

花海咲季

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

花海咲季

⋯⋯⋯⋯わかってるくせに。

花海咲季

ま、でも、そーよね。

花海咲季

プロデューサーには、ちゃんと伝えておかないと。

花海咲季

ここ?

プロデューサー

はい。

花海咲季

なら、秘密の話は中でしましょ──

花海咲季

そう、わたしたちふたりの『事務所』でねっ!

???

あ! プロデューサー!

???

お疲れ様でぇ〜〜っす♪

???

──遅い。

???

いつまで待たせるつもりですか? プロデューサー。

花海咲季

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

花海咲季

⋯⋯ねぇ、プロデューサー?

花海咲季

このコたち、誰?

藤田ことね

ハア? それはこっちの台詞なんですけどぉ〜〜〜!

藤田ことね

プロデューサーに呼ばれてきたら、なんかいるし!

月村手毬

プロデューサー、説明してください!

月村手毬

あなたがプロデュースするのは、私だけ⋯⋯

月村手毬

そうじゃなかったんですか?

花海咲季

ちょ、ちょちょちょ、ちょっとプロデューサー!!

花海咲季

どういうコト!?

プロデューサー

一番星プリマステラ』を決める夏の祭典──

プロデューサー

『Hatsuboshi IDOL FESTIVAL』!

プロデューサー

この3人でユニットを組み、優勝を目指します!

一同

えぇぇぇえぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!?

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