勝ちたい人が、いるんです。
生まれたときから、ずっとそばにいて⋯⋯
いろんな競技で、何度も何度も競い合って⋯⋯
一度だって、勝てたことがなくて。
本当にすごい人で⋯⋯尊敬してて。
だけど⋯⋯だから⋯⋯
今度こそは、絶対に、勝ちたいんです。
その人は⋯⋯この学園に?
はい。だから、あたしはここにいます。
あたしは初心者で⋯⋯
アイドルのこと、よくわかってなくて、
自身があるのは運動くらいで⋯⋯
才能だって、そんなにないのかもしれません。
──────でも。
勝ちたい気持ちだけは負けません。
きっと、誰にもです。
必ず勝ちます。
そして、学園で一番のアイドルになります。
自分で言うのもなんですけど、いい物件ですよっ!
いかがでしょ〜〜かっ!?
(彼女をトップアイドルに育てたい⋯⋯)
(そんな想いが湧き上がってくる)
花海佑芽さん。
はい!
[選択肢]お断りします
はいっ!
って、ええぇ〜っ!?
いまOKしてくれそうな流れだったのに!?
それは⋯⋯
その人は、わたしのプロデューサーだからよ!
お──お姉ちゃん!?
ええ、お姉ちゃんよ!
まったく、初日から遅刻するなんて。
どーせ迷ったんでしょう。
う、うるさいなー!
そ、それより! いま言ったことって!
その人は、わたしのプロデューサーよ。
佑芽、あなたにはあげないわ!
ほんとですか! プロデューサーさん!?
はい。⋯⋯ですが、もしよろしければ、
ふたりをプロデュースすることも──
それは絶対イヤ!!
──と、いうわけてすので、
花海さんのお誘いは受けられません。
ぐぬぬぅ〜〜〜〜〜!!
プロデューサーさんも、
あたしの宿敵だったんですね!?
そのようです。
ならッ、あなたにも勝ちます!!
お姉ちゃん! あたし、今度こそは負けないから!
ええ、相手になるわ! かかってきなさい!
くっそー、余裕ぶりやがってぇ〜!
それはそれとしてプロデューサーさん、
お姉ちゃんをよろしく!
よ、余計なこと言うんじゃないわよ!
ひひ〜! じゃ、またね!
はぁ⋯⋯まったくもう。
⋯⋯プロデューサー。あの子と、どんな話を?
尊敬するお姉さんの話を。
ふえっ? ほ、ほんとに?
あなたのことが、少し理解できた気がします。
⋯⋯ふんっ、あなたのそういうところキライ。
ねぇ、プロデューサー。
あの子が、わたしの妹よ。
す〜〜〜っごく、可愛いでしょ?