学マスデータベース

第2話

花海佑芽

勝ちたい人が、いるんです。

花海佑芽

生まれたときから、ずっとそばにいて⋯⋯

花海佑芽

いろんな競技で、何度も何度も競い合って⋯⋯

花海佑芽

一度だって、勝てたことがなくて。

花海佑芽

本当にすごい人で⋯⋯尊敬してて。

花海佑芽

だけど⋯⋯だから⋯⋯

花海佑芽

今度こそは、絶対に、勝ちたいんです。

プロデューサー

その人は⋯⋯この学園に?

花海佑芽

はい。だから、あたしはここにいます。

花海佑芽

あたしは初心者で⋯⋯

花海佑芽

アイドルのこと、よくわかってなくて、

花海佑芽

自身があるのは運動くらいで⋯⋯

花海佑芽

才能だって、そんなにないのかもしれません。

花海佑芽

──────でも。

花海佑芽

勝ちたい気持ちだけは負けません。

花海佑芽

きっと、誰にもです。

花海佑芽

必ず勝ちます。

花海佑芽

そして、学園で一番のアイドルになります。

花海佑芽

自分で言うのもなんですけど、いい物件ですよっ!

花海佑芽

いかがでしょ〜〜かっ!?

プロデューサー

(彼女をトップアイドルに育てたい⋯⋯)

プロデューサー

(そんな想いが湧き上がってくる)

プロデューサー

花海佑芽さん。

花海佑芽

はい!

プロデューサー

[選択肢]お断りします

花海佑芽

はいっ!

花海佑芽

って、ええぇ〜っ!?

花海佑芽

いまOKしてくれそうな流れだったのに!?

プロデューサー

それは⋯⋯

???

その人は、わたしのプロデューサーだからよ!

花海佑芽

お──お姉ちゃん!?

花海咲季

ええ、お姉ちゃんよ!

花海咲季

まったく、初日から遅刻するなんて。

花海咲季

どーせ迷ったんでしょう。

花海佑芽

う、うるさいなー!

花海佑芽

そ、それより! いま言ったことって!

花海咲季

その人は、わたしのプロデューサーよ。

花海咲季

佑芽、あなたにはあげないわ!

花海佑芽

ほんとですか! プロデューサーさん!?

プロデューサー

はい。⋯⋯ですが、もしよろしければ、

プロデューサー

ふたりをプロデュースすることも──

一同

それは絶対イヤ!!

プロデューサー

──と、いうわけてすので、

プロデューサー

花海さんのお誘いは受けられません。

花海佑芽

ぐぬぬぅ〜〜〜〜〜!!

花海佑芽

プロデューサーさんも、

花海佑芽

あたしの宿敵だったんですね!?

プロデューサー

そのようです。

花海佑芽

ならッ、あなたにも勝ちます!!

花海佑芽

お姉ちゃん! あたし、今度こそは負けないから!

花海咲季

ええ、相手になるわ! かかってきなさい!

花海佑芽

くっそー、余裕ぶりやがってぇ〜!

花海佑芽

それはそれとしてプロデューサーさん、

花海佑芽

お姉ちゃんをよろしく!

花海咲季

よ、余計なこと言うんじゃないわよ!

花海佑芽

ひひ〜! じゃ、またね!

花海咲季

はぁ⋯⋯まったくもう。

花海咲季

⋯⋯プロデューサー。あの子と、どんな話を?

プロデューサー

尊敬するお姉さんの話を。

花海咲季

ふえっ? ほ、ほんとに?

プロデューサー

あなたのことが、少し理解できた気がします。

花海咲季

⋯⋯ふんっ、あなたのそういうところキライ。

花海咲季

ねぇ、プロデューサー。

花海咲季

あの子が、わたしのライバルよ。

花海咲季

す〜〜〜っごく、可愛いでしょ?

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